エンタメ狂いが移るブログ

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ドラマ狂いが移るブログ 柴崎コウ・東山紀之「〇〇妻」

私の学生時代、ホームドラマの問題作と言えば、山田太一が脚本を書いた「岸辺のアルバム」「それぞれの秋」「早春スケッチブック」であり、その鋭い切り口に圧倒された思い出がある。その後も数々のホームドラマが作られてきたが、遊川和彦が書いた「家政婦のミタ」の登場まで、新たな問題作と言えるホームドラマは、見られなかったと思う。日本テレビ水曜10時放送の「〇〇妻」は、この系譜を引き継いだホームドラマの問題作品であり、脚本も「家政婦のミタ」の遊川和彦である。「女王の教室」から連綿と受け継がれている強烈なキャラクターの女主人公が、「家庭」をひっくり返すパワーを発揮するという図式は、かつて山田太一が「早春スケッチブック」について日常生活に罵声をかけるようなドラマと銘打った意識に通じるものを感じた。柴崎コウにとってこの作品は、彼女の役者生活でも重要な作品に位置づけられるのではないだろうか。第2回以降の柴崎の動きから目が離せない。さらに第1話の最後で、今注目の女優 蓮仏美沙子と柴崎の母親役の黒木瞳の登場が、不穏な問題作という予感をいやでも膨らませられる。今後の期待大だ。