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映画狂いが移るブログ 「ソロモンの偽証」(新宿ピカデリー特別試写会)

 

ソロモンの偽証 第I部 事件

ソロモンの偽証 第I部 事件

 
ソロモンの偽証 第II部 決意

ソロモンの偽証 第II部 決意

 
ソロモンの偽証 第III部 法廷

ソロモンの偽証 第III部 法廷

 

 3月1日、新宿ピカデリーで「ソロモンの偽証」の前編後編を一気に上映するという、邦画界初の試みの有料試写会に出席した。原作は宮部みゆきの小説で、彼女の代表作とも言うべきヒューマンミステリーの傑作で、監督の成島出は、映像化に果敢に挑戦し、見事に成功した。

 

いきなり、2015年を代表する日本映画の傑作を見れた!と思った。中学2年14歳という一番多感な時期にクラスメートの謎の死亡事故に出会ってしまった少年少女の心の揺らぎと苦悩を成島監督は、時には彼らに寄り添うように、時には彼らを突き放すように、冷徹な視点で事件を描きながら、主人公たちの心象風景をリアルに描き切った。クラスメートの死を起点に、いじめ、受験など現代の中学生が抱える悩みを巧みに描写しながら、生徒たちだけで開廷する裁判に至るまでが、まるで観客がその場に居合わせているような現実感をもってドラマチックに描かれていく。裁判に入ってからは、宮部みゆき得意のミステリー的色彩が俄然深まり、「果たして少年は本当に殺されたのか、自殺したのか?」「弁護人を務める他校の少年は、どういう理由でこの裁判にかかわっていこうとしたのか?」などの疑問で、最後まで観客をぐいぐい引っ張っていく。演出、脚本、出演者たち、どれをとっても第1級の出来栄えで、見てる途中で、何回も何回も涙が出た。「八日目の蝉」を監督した成島監督は、またも傑作を、しかも日本映画史に残る傑作を作り出した。特筆すべきは、中学生の主人公を演じた藤野涼子と謎の弁護人を務めた少年を演じた板垣瑞生の二人!日本映画は新たなスターをまた生み出した!そう確信するほど、見事な演技だった。脇役での出演だが、母親役を演じた永作博美の好演も涙を誘う。2本合わせて5時間を超えようという大作だが、川崎でいじめによる少年への殺人事件が騒がれているまさに今だからこそ、沢山の人に見て欲しい。必見の映画だ。

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