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映画狂いが移るブログ「バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡」

 

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

 

 第87回アカデミー賞作品賞・監督賞を受賞したアレハンドロGイニャリトウ監督の痛烈な問題作。おそらく、役者を生業としている人々には、他人事でない強烈なメッセージをもった作品だ。役者の持つ「業」を、きわめてシニカルに描いており、バックステージものとしても、充分見応えのある映画となっている。

 

かつて、バードマンというヒーロー映画のスターだった男優リーガンが起死回生を賭けて立とうとする舞台にあがるまでの心象風景をバードマンというもうひとつの彼の内面と対峙しながらもがいていく様子をマイケル・キートンが彼の一世一代の名演で演じきった。出来れば、彼にオスカーを獲らせたかった。脇を固める、エドワード・ノートンエマ・ストーンナオミ・ワッツも好演、特に性格破綻者を演じたエドワード・ノートンは近年の出演作では最高のパフォーマンスで、映画の質をぐっとあげた。問題作品であると同時に娯楽作品としても一級の要素を兼ね備えており、特に役者の方には、是非見て欲しい映画だ。