エンタメ狂いが移るブログ

このブログを読めば、映画、演劇、漫画、小説などなどエンターテインメントに強い興味がもてます!

芝居狂いが移るブログ  羽原大介「新宿ゲバゲバ」(笹塚ファクトリー)

「マッサン」の脚本を書いた羽原大介氏の作・演出の「新宿ゲバゲバ」を笹塚ファクトリーにて見た。つかこうへいに師事していた羽原氏だけに、派手なセットより役者の演技と肉体に重点をおいた、さわやかな感動を与える舞台だった。

 

幕間に流れている音楽から、昭和生まれの私には懐かしく熱いものを感じるものがあったのだが、芝居の中ででも絶妙に昭和のヒット7ポップスが効果的に使われており、芝居の情感が倍増していた。ストーリーは、「パッチギ」「フラガール」や「マッサン」で培われた羽原氏の手腕で、ツボを得た笑いあり、涙あり、せつなさありの、第1級のエンターテインメント作品となっていた。なかでも、原爆で被災した病のことを描いてる部分は、ともすればセンシティブな内容になるところを、芝居のストーリーの中にナチュラルに収めて描いており、それが却ってせつない感動を与えてくれた。羽原氏の脚本の腕の見せ所である。芝居のラストで全員が歌いだす、キングトーンズの名曲「グッドナイト・ベイビー」は、この曲が大好きということもあるが、ぐっときた。絶妙のラストだと思う。幸福な感動に包まれて、劇場ロビーにいた羽原氏に「とても良かった!」と声をかけると、幸福な微笑みを返してくれた。

 

歌の翼にキミを乗せ

歌の翼にキミを乗せ