映画狂いが移るブログ「セッション」
デイミアン・チャゼル監督の、スクリーンから汗がほとばしるような傑作映画だ。
監督も主演のマイルズ・テラー、JKシモンズなどほぼ無名のスタッフ、キャストながら最後まで目が離せない第1級のエンターテインメントとなっていた。
チャーリー・パーカのような偉大なドラマーを夢見て音楽院に入学したニーマンと伝説の鬼教師フレッチャーの鬼気迫る対決の構図が映画全編で描かれており、一瞬たりとも気をぬけない緊迫感で溢れかえっている。最初は従順に教わる立場だったニーマンが力をつけてきて、フレッチャーとぶつかっていくプロセスを映像もジャズのリズムが乗り移ったかのように、猛烈なパッションをもって描かれており、下手なアクション映画をはるかに凌駕するカタルシスがある。特にラスト、恩讐を乗り越えて、懸命にドラムを叩きつづけるニーマンとそれに応えるフレッチャーの表情が秀逸。今年の春は、この映画と「バードマン」で決まりだろう。2本とも、特に俳優の肩書を持つ人には、絶対に見て欲しい。凄し!