エンタメ狂いが移るブログ

このブログを読めば、映画、演劇、漫画、小説などなどエンターテインメントに強い興味がもてます!

芝居狂いが移るブログ 三谷幸喜(作)「田茂神家の一族」(紀伊国屋サザンシアター)

新宿紀伊国屋サザンシアターにて三谷幸喜作、山田和也演出の東京ボードビルショーの「田茂神家の一族」を見た。劇団創立40周年の最終公演である。

 

客演に三谷演劇をよく知る伊東四朗角野卓造を迎え、最強の布陣で挑んだコメディ。伊東四朗演じる田茂神嘉右衛門が長年に渡って務めてきた村長の座を引退することから、その後継となるべく田茂神一族の候補者争いの醜いドタバタ劇が全編、候補者選挙演説会の会場を舞台に繰り広げられるワンシチュエーションコメディだ。次から次にテンポある笑いにより展開する三谷幸喜の脚本は秀逸で、笑いのめしてくれる。また、芝居の観客席を選挙演説会を聞きにきた会場に仕立てた山田和也の演出も、観客を芝居ごと笑いに巻き込むパワーを見せてくれ、臨場感がある。

佐藤B作、佐渡稔、石井愃一、あめくみちこ山口良一といったボードビルショーのメンバーも好演だが、やはり、伊東四朗角野卓造の二人の存在感は大きかった。芝居空間が大きくしまっていた。喜劇なのだが単なる喜劇では終わらない、かつて東京サンシャインボーイズで味わったさわやかな感動が余韻として残った。それにしても「ヒューマンバイオマス発電」には笑わされた。面白いことを考える三谷に脱帽。