エンタメ狂いが移るブログ

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漫画狂いが移るブログ 聲の形

 

聲の形(7)<完> (講談社コミックス)

聲の形(7)<完> (講談社コミックス)

 

 耳の聞こえない少女 西宮硝子とかつて彼女をいじめていた少年 石田将也、そして彼らを取り巻く家族、友人たちを、誇張なく地に足のついた視点で描いた感動の漫画である。ONE PIECE以外の漫画で大感動したのは、近年では本作品が久々だ。昔、アラン・アーキン、サンドラ・ロック主演で聾唖者を描いた名作映画「愛すれど心さびしく」があったが、この漫画はこの映画に通じる感動がある。西宮硝子は、ピュアな心の持ち主であるが聾唖者ゆえに、複雑な人間関係に成り立つ今の社会、例えそれが子供たちの世界であっても、マイノリティな存在として排斥される。かつて、自分も排斥する側にいた石田が、西宮と再会して、どう人間性を取り戻していくかが、時にはコミカルに時には残酷に現実をとらえた視点で描いているこの作者 大今良時の手腕は凄い。硝子の妹の結絃の存在、石田の友人永束の存在が、ともすれば息苦しくなるこの漫画の世界観を救っている。間違いなく近年類いまれな傑作漫画だ。2014年この漫画がすごい堂々第1位にランクインしたのも当然だ。絶対に必見!!!!!