エンタメ狂いが移るブログ

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映画狂いが移るブログ べネディクト・カンバーバッチ「イミテーションゲーム」

 

 イギリスした数学者アラン・チューリング第2次世界大戦中に極秘任務としてナチスの暗号解読に勤めた人生を近年ハリウッドで頭角を現してきたベネディクト・カンバーバッチが熱演し、きわめて見応えのある映画となっている。

 

他人との付き合い方が不器用だが、暗号を解読する抜群の数学的頭脳をもつ変人チューリングキーラ・ナイトレイ演じる女性数学者ジョーンと知り合うことにより、チームの仲間たちにも次第に心開くようになり、やがて暗号解読の決定的なヒントを全員で見つけるまでの展開がスリリングに描かれており、さらにその後の皮肉な展開とゲイでありながらジョーンに心惹かれるチューリングの苦悩など、濃厚なドラマエピソードがたっぷりと盛り込まれており、エンターテインメント作品としても一級の出来栄えだ。この作品でオスカーにノミネートされたカンバーバッチは入魂の名演。名優ダニエル・D・ルイスを彷彿とさせる存在感だ。またゲイであることを知りながらもチューリングに友情に近い理解を示すジョーンを演じたキーラ・ナイトレイもカンバーバッチに一歩も引けを取らない名演で、彼女の代表作のひとつになるであろう。「シンドラーのリスト」とは、別の意味で、第2次世界大戦で戦場の裏側で活躍した人間を描いた作品として、注目すべき映画だと思う。作品のエンドタイトルでチューリングが不遇なまま自殺をしたことが字幕で表示された時、改めてそう思った。