エンタメ狂いが移るブログ

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さよなら新宿ミラノ座 ラストショー アラビアのロレンス

 

 デヴィッド・リーン監督は、巨匠である。「旅情」「戦場にかける橋」「ドクトル・ジバコ」「ライアンの娘」「インドへの道」と、ほとんどの監督作品が大作でしかも映画史に残る名作ばかりだ。なかでもこの「アラビアのロレンス」は彼の代表作、最高傑作と言っていいだろう。しかし若い時の、私は、実はまだその良さがピンとこなかった。今回のラストショーで上映されると知り、再確認の意味で見に行った。

年齢を重ねた、今だからこそ、この作品がいかに歴史的な傑作であったかが良くわかった。若い時には見過ごしていたデヴィッド・リーンの渾身の映像の詩が次々と私の胸をうち、深い深い感動をした。ロレンスの人間としての苦悩、生き様がこれほど、スケール大きくしかも詩情豊かに描かれていたとは!ピーター・オートゥールは、名優中の名優だとは思っていたが、この作品の彼は、何かが乗り移ったような凄みが感じられた。何故、オスカーを獲れなかったのか不思議に思う。彼の出演作品の中では最高のパフォーマンスだったと思う。3時間50分、充実の時間だった。