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漫画狂いが移るブログ 懐かし漫画「夕やけ番長」

 

梶原 一騎傑作全集 夕やけ番長  [マーケットプレイス コミックセット]
 

 「あしたのジョー」「巨人の星」「愛と誠」など数々の少年漫画の原作を書いてきた梶原一騎の作品の中で、一番彼の心象風景が垣間見える名作だ。私が小学校高学年から中学時代に最も愛した漫画である。今や死語に近い「番長」という言葉を敢えてタイトルにして、ケンカはめっぽう強いが夕やけを見ると何故か涙ぐむ優しい心を持った少年「赤城忠治」の活躍を描いた熱血青春漫画だ。「木曽中、くそ中、不良中」と呼ばれていた木曽中学に転校してきた赤城忠治が様々な番長たちと戦いながら、友情を深め心身共に成長していく姿を描いた青春小説の要素を持ちながら、物語は国定忠治三島由紀夫まで言及し、少年だった私の心に強い影響を及ぼした文学的な匂いも感じる漫画である。これは、梶原一騎の少年読者たちへの強烈なメッセージであり、作画した庄司としおの画力の素晴らしさもあり、様々なエピソードが胸を熱くし、何回も何回も感動する漫画である。特に漫画の最後のエピソードで赤城忠治が煙突によじ登って降りれなくなった小瀬小次郎を抱きながら飛び降りる場面は、映画さながらの詩があり、涙なしでは読めない。煙突の上の天使、梶原一騎はそう描いている。当時はまだ月刊誌が発行されてた時代の漫画で、ひとつひとつのエピソードの展開が丁寧に描かれており、読み応えがある作品だ。ストーリーを盛り上げて熱く感動させるこの梶原一騎のエッセンスは、「ONE PIECE」で尾田栄一郎が継承している。少年はいつの時代も熱い魂を求めているのだ!必読!