エンタメ狂いが移るブログ

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漫画狂いが移るブログ 渡辺潤「モンタージュ」

 

モンタージュ(1)

モンタージュ(1)

 
モンタージュ(18)

モンタージュ(18)

 

 私が少年時代に世間を震撼させた事件のひとつが三億円事件だ。ある意味劇場型犯罪のはしり的な事件で、後のグリコ・森永怪人21面相事件の原型とも言える。犯人はついに逮捕されなかったため、様々な憶測が今でも都市伝説のようにささやかれている。またこの事件をモチーフにした映画、テレビドラマ、漫画も何作も登場している。それだけ、世間的にも今日に至るまで記憶に残る事件だったのだろう。

 

モンタージュ」は、そういう系列の流れを組みながらも作者渡辺潤の独創性を前面に出した挑戦的な漫画である。三億円強奪の犯人の息子と言われる少年を中心に、刑事でありながら冷酷な殺し屋である男、男の双子の兄弟で政治家の秘書をしている男、さらにこれまた三億円事件の首謀者だったのではないかと思える政治家など、一癖もふた癖もある登場人物たちが複雑に絡み合い三億円事件の闇の真相を浮かび上がらせようというミステリータッチのストーリーで、少年が次々とふりかかってくる困難をどう切り抜けて真相に迫っていくかという展開に心踊らされる。まるで贅沢な推理小説を読んでいるようで、読後の醍醐味はたっぷりある。特に三億円事件をリアルタイムでニュースとして体験した人は、一読をおすすめします。サスペンスフル!