映画狂いが移るブログ スティーブ・マックィーン「大脱走」
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言うまでもない。スティーブ・マックィーン主演のスポーテイな戦争映画の大傑作である。
私が最初にこの映画に出会ったのは、フジテレビのゴールデン洋画劇場で2週に渡って見たことに始まる。その前に劇場でリバイバルの「荒野の七人」と新作の「栄光のル・マン」でマックィーンのかっこよさに魅了されており、テレビで見た「大脱走」でも、その映画のずば抜けた面白さ、マックィーンのかっこよさは、十分に伝わった。その後、今に至るまで10回以上はこの映画を繰り返し見続けており、娯楽映画としては最も好きな作品だ。「戦雲」「荒野の七人」と連続してチームを組んだマックィーンとジョンスタージェス監督の最高峰の作品だろう。チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンというスタージェス一家の俳優陣にリチャード・アッテンボロウ、ジェームズ・ガーナー、デヴィッド・マッカラム、ジョン・レイトン、ゴードン・ジャクソン、ドナルド・プリーゼンス、ジェームズ・ドナルドといった個性派の男優陣が大好演し、2時間50分を一気に楽しめる作品となった。エルマー・バーンスタインの名曲「大脱走マーチ」も作品の魅力をさらに倍加し、不朽の映画音楽となった。この映画の魅力は、何といっても集団劇として、マックィーン以下個々の出演者の魅力を十二分に描いていることにある。「荒野の七人」で集団劇での演出の冴えを見せたスタージェスの手腕が、この作品では至る所に発揮され、出演者たちの様々な個性が光り、最後まで飽きさせない。脱走に失敗し逮捕される者、志果たせずゲシュタポに殺される者、初志貫徹して見事に脱走をとげる者など、様々な人間模様を手を緩めることなくエンターテインメントとして描き切った。黒澤明監督の「七人の侍」を彷彿させる見事な集団劇だ。年末に新宿ミラノ座の閉館イベントで「荒野の七人」が上映されたが、出来ればここでも「大脱走」を見たかった。劇場で見る「大脱走」は、間違いなく最高のエンターテインメント映画だ!
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