エンタメ狂いが移るブログ

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漫画狂いが移るブログ なつかし漫画 寺田ヒロオ「スポーツマン金太郎」

 

 かつてプロ野球と言えば巨人軍が少年たちの夢と憧れのチームだった時代がある。この時代に書かれた野球漫画はどれも巨人軍を舞台に少年たちのヒーローが活躍し涙し感動する名作漫画が多い。「ちかいの魔球」「ミラクルA」「黒い秘密兵器」「巨人の星」など、今でも読み返したくなる素晴らしい漫画だ。

 

「スポーツマン金太郎」は、これらの漫画の中のエポックとなった作品である。おとぎ村からやってきた野球少年である金太郎と桃太郎がプロ野球に入団し、ライバルとして切磋琢磨して活躍するという寓話的な物語が、寺田ヒロオのあたたかいペンタッチでのびのびと描かれており、今の少年漫画ではあまり見かけられなくなった「少年の心を育む力」が直球で伝わってくる漫画だ。この系譜の漫画だと ちばあきお「キャプテン」「プレイボール」くらいしか思い浮かばない。まさに「健全」という言葉がぴったり当てはまる優良漫画だと思う。そこには、寺田ヒロオの金太郎や桃太郎に代表される子供たちへのあたたかいまなざしと愛情がたっぷりと感じられ、やさしい画風なのだが、寺田の少年漫画への並々ならぬ決意さえ読み取れるのだ。決して単なるのどかな少年漫画ではないのだ。今の子供に是非読んで欲しい!