映画狂いが移るブログ シャーリー・マックレーン「トレヴィの泉で二度目の恋を」

「アパートの鍵貸します」「あなただけに今晩は」などのビリー・ワイルダー作品に主演し、女優としての地位を確立したシャーリー・マックレーンは、私が大好きな女優である。芝居も歌もダンスも超一流で、「愛と追憶の日々」で念願のオスカーに輝いた時に冗談めかして「（受賞して）当然だと思うわ」とスピーチした彼女の茶目っ気あるコケティッシュな笑顔は本当に素晴らしかった記憶がある。そんな彼女も、この作品では80歳を迎えての主演である。すっかり、おばあさんになったが、スクリーンの中での彼女は相変わらずチャーミングに光り輝いており、心温まる映画となっていた。

フェデリコ・フェリーニの名作「甘い生活」の中でのトレヴィの泉におけるアニタ・エグバーグとマルチェロ・マストロヤン二を夢見て生きる前向きな老女エルサ（実は重い病を抱えている）がクリストファー・プラマー演じる偏屈な老人と出会い彼の心を変えていく、その二人の姿が微笑ましく切ないタッチで描かれている。マックレーンとプラマーという二人の老優のナチュラルな好演がこの作品を宝石のように輝かせてくれた。私も年をとったのだろう、こういう映画にめっぽう弱くなった。何回も挿入される「甘い生活」の場面が印象的で、再見したくなった。

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