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映画狂いが移るブログ クリント・イーストウッド「アメリカン・スナイパー」「

 

アメリカン・スナイパー

アメリカン・スナイパー

 

 、「ジャージー・ボーイズ」に引き続きクリント・イーストウッドは、またも傑作を生みだした。実在の狙撃手クリス・カイルの壮絶な人生を冷徹な手腕で描ききった。

 

人間には、3種類ある。羊、狼、番犬だ、と父親に教えられたクリスが、最初は母国アメリカをテロリストから守るという純粋な愛国心から戦場に派遣される「番犬」としての人生をはじめていくうちに、戦場の過酷な体験を積み重ねていくうちに状況によっては、女・子供も容赦なく殺戮するスナイパーに変貌せざる得ない姿を生々しく描いており、かつては好戦映画の旗手とも思われていたイーストウッドが、全く好戦とは立場を異にした力強い戦争映画を作り出した。単なる反戦映画でもない、戦争の過酷さ残酷さを極めてリアルに映像化することにより、観客に痛烈なメッセージを投げかけた。主演のブラッドリー・クーパーは圧巻!「世界でひとつのプレイブック」で、俄然、スターダムにのし上がった男が、イーストウッドの演出に見事に応え、肉体的にも、かつてのロバート・デニーロのような改造を施し、クリス・カイルになりきった。ブラッドリー・クーパーの存在なしには、この映画は語れない。ラストシーンで、ようやく人間性の回復を果たしかけたかに見えたクリスの不幸な最期がテロップで流れた時の一瞬の静寂、イーストウッドの円熟した演出で、衝撃を覚えた。世界情勢が不安定な今だからこそ登場した映画だと思う。色々と考えさせられる映画でもある。超問題作!