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漫画狂いが移るブログ なつかし漫画 ちばてつや・梶原一騎「あしたのジョー」

 

あしたのジョー(1)
 
あしたのジョー(12)<完> (講談社漫画文庫)

あしたのジョー(12)<完> (講談社漫画文庫)

 

 この漫画を通してコミックで読んだのは、浪人中のことである。大学受験を控えて一番精神的に不安定な時に読み、強く感動をした覚えがある。苦しい受験生の内面をどれだけ救ってくれたことか!最高の漫画であった。「巨人の星」で一躍、漫画原作者としての名を不動にした梶原一騎が一番油が乗り切っていた時代に書かれた漫画で、詩情あふれるちばてつやの画と、いい意味でのぶつかりあいが相乗効果を生み、漫画史に残る名作となった。さすらいの不良少年の矢吹丈がボクシングと出会うことにより、力石徹をはじめとする様々なライバルたちと戦いながら人間的成長を遂げていく一大感動巨編であり、事実上、これがちばてつや梶原一騎の代表作となった。

 

同時に少年マガジンは、当時の少年から大学生に至る若い世代の圧倒的な支持を得るマンガ週刊誌にのぼりつめることになった。ジョーのライバル力石の死をはじめ、パンチドランカーになったカルロス、チャンピオン ホセメンドーサ―との死闘など、物語は次から次へと劇的な展開をひろげ、少年たちの心を虜にした。「真っ白な灰になる」まで戦いつづけたジョーの生き様は、理屈ではない、ストレートな感動を沢山の読者に印象づけてくれた。試合が終了して、リングコーナーに座り続けるジョーの姿を描いたラストショットは、漫画史に残る絶品の場面であり、この漫画を永遠に語りつがれる名作へと昇華させた。