漫画狂いが移るブログ なつかし漫画 横山光輝「伊賀の影丸」
原作愛蔵版 伊賀の影丸 第3巻 闇一族 (3) (KCデラックス)
- 作者: 横山光輝
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/06/23
- メディア: コミック
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「おそ松くん」「オバケのQ太郎」「スポーツマン金太郎」などのヒット作品が列挙されていた黄金時代の少年サンデーで掲載されていた傑作忍者漫画である。「鉄人28号」の横山光輝の産み出したもうひとつの傑作である。
鉄人28号対敵ロボットの図式が、影丸と敵方忍者たちとの死闘に置き換えられ、当時少年だった私には、ドキドキした期待感と、味方の忍者でも闘いに負けるとあっさり死んでしまうその無常観に衝撃を覚えた記憶がある。その中で、影丸の永遠のライバルとなる天野邪鬼が不死身という存在で、ある時は強力な敵に、ある時は影丸の味方的な役割を演じたりと、トランプのジョーカーのように立場を変えて登場する、その妖しい魅力が、この漫画をさらに面白いものにしていた。様々な忍者が様々な忍術を展開し死闘を繰り広げるその圧倒的なストーリーの巧みさは横山光輝の真骨頂である。白土三平の忍者漫画も素晴らしいが、少年たちには「伊賀の影丸」の戦いの図式の方がわかりやすく、エンターテインメントとしては圧倒的な支持があった。鳥山明が「ドラゴンボール」で悟空とライバルたちとの戦いの図式を展開して少年たちの強い支持を得たが、このバトルエンターテインメントのルーツこそ「伊賀の影丸」だと思う。私は、村雨兄弟と闇一族の戦いを描いた章、由比正雪の章は、今でも鮮明に記憶に残っている。この時期の伊賀の影丸は、間違いなく伝説の漫画となっている。まだ読んだことがない人は、是非読んで欲しい。