エンタメ狂いが移るブログ

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芝居狂いが移るブログ 「寝盗られ宗介」(浅草木馬亭)

 

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寝盗られ宗介 (角川文庫 (5539))

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 浅草木馬亭で久々の見参。劇団新感線のこぐれ修氏が演出のつかこうへいの傑作芝居。つかこうへいと言えば、「前向きのマゾヒズム」で有名だが、この芝居は、そのつかの特性が一番表現されている芝居だろう。自分の愛する妻を、敢えて他の男に寝盗らせていく芝居の中の宗介と宗介の芝居を演じる座長の世界が入れ子構造のように交互に毒々しく描かれ、観客を狂気の世界へといざなってくれる。

 

蒲田行進曲の銀ちゃんと小夏の関係のように、つかこうへい独特の捻じれ曲がっていながらも、愛おしく切ない男と女の愛の姿が、これほどぎらぎらと描かれて、なおかつ、感動させられるのは、この作品が代表格だろう。小谷けい、遠海まりこ以下、若い出演者たちが、目を見張る熱演で、つかワールドを見事に体現していた。特に、上演された浅草木馬亭は旅回りの一座が公演するというこの芝居にドンピシャで、大衆演劇の世界を味わっている気持ちにさせられた。石丸謙二郎、岡本麗の寝盗られ宗介から20数年経っての再演だが、こぐれ修氏の魂の演出によって、凄みのあるつか芝居は復活した!

良し!