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漫画狂いが移るブログ なつかし漫画 横山光輝「鉄人28号」

 

 

 

カラー版鉄人28号限定版BOX1

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 人にはそれぞれ、大切な漫画があると思うが、「鉄人28号」は、私が生涯最も大好きな漫画だ。鉄人28号との最初の出会いは、実はモノクロ時代のアニメーションだ。鉄腕アトムが一貫して正義の味方でありつづけるのに対し、鉄人28号は、リモコン次第で敵にも味方にもなるという立ち位置が、少年だった私にはスリリングで面白いと感じ、鉄人28号びいきになった記憶がある。そして、あのテーマソングと鉄人28号の雄叫びを聞くや、一挙に鉄人28号の魅力にとりつかれてしまった。漫画は月刊誌「少年」に連載されており、ストーリーテラーとしての横山光輝が油が一番乗り切っている時代の作品であり、次から次へと展開していくハラハラドキドキのスリリングなストーリーに心躍らせ、毎月次の号の鉄人28号を読むのが待ち遠しくて仕方なかった思い出がある。しかし何と言っても、漫画「鉄人28号」の魅力は、登場する敵側のキャラクター―たちの存在である。金田正太郎に対する数々の敵役たちが、そして鉄人28号と戦う敵のロボットたちが、それぞれ不敵なキャラクターで悪の魅力を発散し、正義対悪という単純な図式で図れない妖しい魅力が、そこには存在した。シャネル・ファイブ、ニコポンスキー、不乱拳博士、モンスター、ロビー、超人間ケリー、ファイヤー博士などなど、どれも敵ながら忘れがたい存在感であった。悪役が光ってこそ、正義の味方との闘いも光るという子供の心をつかむツボを見事にとらえており、これは、後年の「伊賀の影丸」でもきっちり引き継がれていき、この時代の横山光輝の書く少年漫画は特に男の子たちに圧倒的な支持を得たものである。特に、ブラック・オックスは一度は鉄人28号の敵になりながら、敵の壊滅により、短い期間ではあるが、鉄人28号の味方にもなって活躍するのである。ロボットの存在が、敵か味方かの表裏一体を示すこのエピソードは、この漫画の真骨頂と言っていい。この漫画から数10年後に、鳥山明の「ドラゴン・ボール」が登場するが、あの主人公と敵との妖しい魅力的な戦いの図式は、この「鉄人28号」がルーツだと私は思う。「鉄人28号」は、50年以上前の漫画だが、今でも、私が持つ少年魂には燦然と輝いていつまでも不滅である!モノクロアニメの感動の最終回で鉄人28号は、平和の時代の象徴として、博物館に収められることになるが、私は、まだどこかの博物館で鉄人28号があの大きな体で、少年たちの心の叫びを聞いてくれているような気がしてならない。漫画もアニメも超必見!

 

鉄人28号 Vol.10 [DVD]

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